世界遺産ナスカの地上絵が現在でも残っている理由について解説

ナスカの地上絵は何世紀もの間、消えずに残っているのはなぜでしょうか?
これら壮大な古代の地上絵が描かれた目的は未だに謎に包まれています。

ナスカの地上絵は、1939年に初めて発見されました。
描かれた時期は、約1600年から2000年前で日本で言うと弥生時代から飛鳥時代にかけての時期になります。
こんなに古い地上絵がなぜこれほど長く残っているのでしょうか?

そこで本記事では、ナスカの地上絵が現在でも残っている理由について詳しく解説していきます。

ナスカの地上絵って何?

まずは、ナスカの地上絵について解説します。

ナスカの地上絵とは、ペルーのナスカ川とインヘニオ川に囲まれた砂漠の地表面に描かれた幾何学図形や動植物の絵のことです。
地上絵の大きさは数十mから数十kmに及ぶものまであり、700を超す数の地上絵が確認されています。
ナスカの地上絵は、約1600年から2000年前の間に描かれたとされていますが、具体的な時期や描かれた目的はまだ明らかになっていません。

ナスカの地上絵が消えない理由

ナスカの地上絵が何世紀もの間、消えずに残っている理由は4つあります。

・乾燥した気候
・地表を削って描いている
・野生動物が生息していない
・地上絵の保護活動

それぞれについて詳しく説明します。

乾燥した気候

ナスカ地上絵が良好な状態で残っている1つ目の理由は、極めて乾燥した気候です。

この地域の年間降水量はわずか4mmと非常に少なく、ほとんど雨が降りません。
もし雨が多かったら、泥まみれになり現在まで残っていなかったでしょう。

地表を削って描いている

2つ目の理由は、ナスカの地上絵の描き方です。

ナスカの地上絵は、地表の赤茶色の石を削って描いています。
削った下の層は、石灰質の白い土壌となっています。
地表の赤茶色の石と白い土壌とのコントラストにより地上絵に見せています。
石を削っているため、風による侵食を受けにくく現在まで残っていると考えられます。

野生動物が生息していない

3つ目の理由は、野生動物が生息していないためです。

野生動物がいないため、地上絵が傷つけられることがありません。
ナスカの地上絵がある場所は砂漠なので、動物が生きることも難しいですよね。
野生動物による破壊がほとんどなく、多くの地上絵が現在まで残っている理由の1つです。

地上絵の保護活動

4つ目の理由は、研究者や学術機関がナスカの地上絵の研究や保護活動を行ったためです。

ナスカの地上絵が広く知られるようになったのは、1939年にアメリカ人考古学者ポール・コソックが動物形の地上絵を発見してからです。
ドイツ出身のマリア・ライへも、彼と協力して地上絵の研究と保護活動に尽力しました。
ライへは自身の資金を投じてナスカの地上絵の研究を行い、観測用の「ミラドール」という塔を建設しました。
彼女が1998年に95歳で亡くなった後、ペルー政府は地上絵のある地域への立ち入りを制限しました。
さらに2015年には、ペルー文化省と山形大学がナスカの地上絵の研究と保護のための特別協力協定を締結しました。

このように、ナスカの地上絵の発見から現在まで研究者と学術機関による保護活動により、多くの地上絵が昔の形のまま保存できています。

まとめ

今回は、ナスカの地上絵が現在でも残っている理由について解説しました。

理由は以下の4つです。
・乾燥した気候
・地表を削って描いている
・野生動物が生息していない
・地上絵の保護活動

ナスカの地上絵は、いつ、何の目的で描かれたのかは明らかになっていません。
いつの日か明らかになると面白いですね。