ドジョウは人になつくのか気になっている人に向けて、ドジョウの行動や飼い方の工夫について詳しく解説します。
水槽の前に出てきたり、餌の時間に寄ってきたりする様子は、まるで人になついているように見える瞬間があります。
この記事では、ドジョウが人になつくとされる行動や、なつきやすくするための飼育方法、なつかないときの原因と対処法まで紹介します。
さらに、ドジョウを飼うメリットやデメリット、初心者におすすめの種類も解説するので、これから飼育を始めたい人に役立つ内容です。
読めば、ドジョウとの暮らしをもっと楽しくできるヒントが見つかりますよ。
ドジョウは本当に人になつくのか
ドジョウは本当に人になつくのかについて解説します。
それでは順番に詳しく見ていきましょう。
人になつくとされる行動
ドジョウは犬や猫のように人間に強く愛着を示す動物ではありませんが、飼育環境や個体によっては人に対して反応を示す行動が見られます。
例えば、エサを与える時間になると水槽の前面に出てきて待機する姿は、多くの飼育者が「なついた」と感じるポイントです。
また、人の指を水槽に入れると近寄ってきたり、エサと勘違いしてついばむように口を動かしたりする場合もあります。
こうした行動は、学習と慣れの結果であり、何度も同じ行動を繰り返すことで「人=エサをくれる存在」と認識しているのです。
長期的に飼育すると、怖がらずに目の前で泳ぎ回るようになり、これがドジョウが人になついたとされる大きな特徴です。
人になつきにくい理由
ドジョウは本来、野生では泥や砂の中に潜って生活しており、警戒心がとても強い魚です。
そのため、人が近づいただけで物陰に隠れてしまったり、手を入れると一気に泳ぎ回って逃げることも珍しくありません。
また、魚類は哺乳類と違って感情表現が乏しく、人になついているかどうかを判断するのが難しい点もあります。
飼育環境が落ち着いていない場合や、他の魚と一緒に飼われてストレスを感じている場合も、人になつきにくい要因となります。
特に水質が悪化していたり、隠れ家が不足していると落ち着かないため、人になつくような行動が出にくいのです。
他の魚との違い
ドジョウはコイ科の魚と比べても、人との距離を縮めにくい性質を持っています。
例えば金魚やベタは人に寄ってきやすく、飼い主を識別しているかのように見える行動を示します。
それに対してドジョウは、基本的に水槽の底でじっとしている時間が長く、感情的な動きを見せにくいのが特徴です。
ただし、この「控えめさ」こそがドジョウらしさであり、気づけば飼育者のそばに寄っているという小さな変化が魅力となります。
つまり、ドジョウは派手に人になつく魚ではありませんが、独特の仕草に気づけるかどうかが飼育の楽しみになります。
人になつく個体の特徴
人になつきやすいドジョウにはいくつかの共通点があります。
まず、幼魚の頃から人のいる環境で飼われている個体は、人の存在に早く慣れる傾向があります。
また、同じ種類でも性格に差があり、もともと活発で好奇心が強い個体は人になつきやすいです。
さらに、水槽の環境が安定しており、水質や水温の変化が少ない場合には落ち着いた行動を見せるようになり、人前に出やすくなります。
最終的に、「エサをくれる=安心できる存在」と学習することで、自然と人を怖がらなくなっていきます。
ドジョウが人になつくようにする飼い方
ドジョウが人になつくようにする飼い方について解説します。
それでは順番に解説していきますね。
餌を与えるときの工夫
ドジョウが人になつくためには、餌の与え方がとても大切です。
毎日決まった時間に餌を与えることで、ドジョウは「人が来る=餌をもらえる」と学習します。
特に冷凍赤虫や沈下性の人工飼料を与えると、ドジョウが底砂から出てきて活発に動き出す姿を見ることができます。
餌を与える際には、水槽の同じ位置で与えることもポイントです。
毎回同じ場所から餌が落ちてくると学習し、やがて飼育者が近づくだけでそこに集まってくるようになります。
また、指先から餌を落としてやることで、ドジョウが人の手を怖がらなくなり、近寄る習慣を身につけやすくなります。
水槽の環境づくり
ドジョウは臆病な魚なので、水槽の環境が落ち着いていないとすぐに隠れてしまい、人になつく行動を見せにくくなります。
水槽はドジョウが安心できる空間を意識して整えてあげることが大切です。
底砂は細かめの砂を敷くと、ドジョウが自然に潜ったり休んだりできるので安心感を持ちます。
また、水槽のサイズはできれば60cm以上を用意すると、十分な遊泳スペースが確保できてストレスが減ります。
外掛けフィルターよりも底面フィルターやスポンジフィルターを利用すると、水流が穏やかになり、ドジョウに優しい環境になります。
照明も強すぎると落ち着かないため、控えめにすることでドジョウが前面に出やすくなります。
隠れ家を用意する
ドジョウは本来、砂や泥の中に潜る習性があるため、隠れられる場所を用意してあげることが重要です。
流木や土管、水草の植え込みなどを配置しておくと、ドジョウは安心して暮らすことができます。
隠れ家がないと常に不安を感じてしまい、水槽の隅でじっとしてしまったり、なかなか人前に出てきません。
逆に、安心できる隠れ場所があることで、日中でもリラックスして前に出てくるようになります。
この「安心できる居場所」が、結果的に人になつく行動を引き出すきっかけになるのです。
人の手に慣れさせる
ドジョウを人に慣れさせたい場合は、少しずつ手を水槽に入れて存在に慣らしていくことが有効です。
最初は手を近づけるだけでも逃げることが多いですが、時間をかけて繰り返すうちに「危険ではない」と学習します。
指先から餌を与える方法を続けると、やがて自分から近寄ってくるようになります。
ただし、急に追いかけ回したり掴もうとすると強いストレスになるので、あくまで自然に近寄らせることが大切です。
ドジョウが落ち着いて泳いでいる時に、手を静かに入れて存在を見せる程度から始めましょう。
水質管理を徹底する
ドジョウが健康で安心して過ごせる水質を維持することは、人になつかせるための基本です。
ドジョウは水質悪化に比較的強い魚とされていますが、それでもアンモニアや亜硝酸が蓄積すると体調を崩してしまいます。
水換えは週に1回程度、全体の3分の1を目安に行うと安定した環境を保ちやすいです。
また、水温は20℃前後が適しており、夏場の高温や冬場の低温には注意が必要です。
水質が安定しているとドジョウは落ち着いて行動でき、人の姿を見ても逃げなくなるため、なつく行動が見られやすくなります。
ドジョウが人になつかない原因と対策
ドジョウが人になつかない原因と対策について解説します。
それでは順番に詳しく見ていきましょう。
水質や水温の問題
ドジョウが人になつかない最大の原因のひとつは、水質や水温の乱れです。
水槽の水質が悪化すると、ドジョウは不快感やストレスを感じてしまい、常に落ち着かない状態になります。
例えばアンモニアや亜硝酸が高濃度で蓄積すると、エラや体表にダメージを与え、活発に泳ぐどころか底でじっとすることが増えます。
また、水温の変化も敏感に影響します。
特に夏場の高水温や冬場の低水温はストレスの大きな要因で、落ち着かない行動につながります。
これを防ぐには、週に1度の水換えを習慣化し、水温は20℃前後を安定して保つことが重要です。
餌の与え方の問題
餌の与え方が不適切だと、ドジョウは人の存在をエサと結びつけられず、人になつくきっかけを失ってしまいます。
特に、バラバラの時間に餌を与えたり、量が不安定だと「人=エサをくれる存在」と学習しにくくなります。
また、浮上性の餌ばかりを与えると、底で生活するドジョウにとって食べにくく、エサを食べる行動がスムーズに定着しません。
解決策としては、決まった時間に、沈下性の餌や冷凍赤虫を与えることが効果的です。
さらに、与えるときには水槽の同じ位置から落とすと、条件反射のようにその場所に集まる習慣がつきます。
これにより「人が来ると餌がもらえる」と強く学習し、なつきやすくなります。
相性の悪い同居魚
水槽内に相性の悪い魚がいると、ドジョウは常に緊張して暮らすことになり、人になつくどころではなくなります。
例えば攻撃性の強いシクリッドやアカヒレのように小さくても素早く動き回る魚は、ドジョウにとってストレス源となります。
また、コリドラスやプレコなど底を生活圏とする魚は、ドジョウと餌場が重なってしまい競合が起きやすいです。
これにより、落ち着いて前に出てこなくなり、人になつくチャンスが失われます。
解決策は、ドジョウと相性の良い魚だけを選ぶことです。
例えば温和で中層を泳ぐ小型のカラシン類やメダカなどは比較的安心して同居させることができます。
飼育環境のストレス
水槽の設置場所や周囲の環境がストレスになっている場合も、ドジョウが人になつかない原因になります。
例えば人通りが多く常に振動や物音がする部屋では、ドジョウが落ち着けず常に隠れてしまいます。
また、強すぎる照明や直射日光が差し込む場所も、警戒心を強めてしまいます。
さらに、水槽内に隠れ家が不足していると、常に不安を感じてしまい、人になつく行動を見せにくくなります。
対策としては、水槽を静かで落ち着いた場所に置き、照明は弱めに設定し、流木や土管、水草などで隠れ場所を複数用意してあげることです。
安心できる環境を整えることで、ドジョウは自然と人前に姿を見せるようになり、人になつく行動が見られやすくなります。
ドジョウを飼うメリット
ドジョウを飼うメリットについて解説します。
それではメリットをひとつずつ見ていきましょう。
観察の楽しさ
ドジョウは独特の仕草や行動が多く、観察しているだけで飽きない魅力があります。
底砂に潜ったり、顔だけ出してじっとしていたり、突然活発に泳ぎ回ったりと、行動がとてもユニークです。
水槽の中で体をくねらせながら移動する姿や、数匹で寄り添って休む様子も、観察していると可愛らしく感じます。
また、エサの時間になると前に出てきて活発に動くため、飼育者とのコミュニケーションを感じられる瞬間もあります。
この観察の楽しさこそ、ドジョウを飼う大きな魅力のひとつです。
癒し効果
ドジョウのゆったりとした動きや、のんびりした生活スタイルは、見る人に癒しを与えてくれます。
特に水槽の底でじっとしている姿は、落ち着いた空気を漂わせ、心を和ませてくれます。
金魚や熱帯魚のように華やかではないものの、その素朴さが逆に安心感を与えてくれるのです。
仕事や勉強で疲れたときに水槽を覗くと、ゆっくり泳ぐドジョウの姿に癒される人は少なくありません。
心を落ち着けたい人にとって、ドジョウはぴったりのパートナーといえます。
水槽の掃除役になる
ドジョウは水槽内で落ちた餌や食べ残しを探して食べる習性があります。
そのため、水槽内の掃除役としても活躍してくれるのがメリットです。
底砂の隙間に潜り込んで餌を探すため、自然と底砂がかき混ぜられ、水質が悪化しにくくなります。
もちろんドジョウだけに頼ることはできませんが、水槽の環境維持に役立ってくれる存在です。
観察の楽しさと同時に、実用的な役割も果たしてくれるのは嬉しいポイントですね。
丈夫で飼いやすい
ドジョウは比較的丈夫な魚で、初心者でも飼いやすいのが特徴です。
多少の水質悪化にも耐えることができ、急に弱ってしまうリスクが低いです。
また、淡水魚なので特別な器具や高価な餌も必要なく、飼育コストが低いのもメリットです。
さらに、日本の気候に適応しているため、熱帯魚に比べて温度管理もシンプルに済みます。
これから魚を飼ってみたいという初心者にもおすすめできる存在です。
長く飼える可能性がある
ドジョウは適切に飼育すれば数年以上生きることができる魚です。
自然環境では5年以上生きることもあり、水槽飼育でも条件が良ければ長期間一緒に暮らすことができます。
ペットとして長く付き合えるのは、飼育者にとって大きな魅力です。
また、長く飼っているうちに行動パターンや性格の違いに気づき、より愛着が湧いていきます。
時間をかけて絆を感じられるのも、ドジョウを飼うメリットのひとつです。
ドジョウを飼うデメリット
ドジョウを飼うデメリットについて解説します。
デメリットを理解してから飼育を始めると、トラブルを減らすことができます。
大きくなりやすい
ドジョウは幼魚のときは5センチ程度と小さく可愛らしいですが、成長すると20センチ前後になる種類もいます。
そのため、小型水槽で飼い始めるとすぐに手狭になり、広い水槽へ引っ越す必要が出てきます。
特にマドジョウは成長が早く、1年で倍以上のサイズになることもあるので注意が必要です。
成長を見越して、最初から大きめの水槽を用意するのが安心です。
「思っていたよりも大きくなる」という点は、飼育者にとって負担になる場合があります。
底砂の掃除が大変
ドジョウは砂の中に潜る習性を持っているため、底砂が汚れやすくなります。
餌の食べ残しや排泄物が砂の中に入り込み、定期的な掃除が欠かせません。
また、ドジョウが砂をかき回すことで水槽内にゴミが舞い上がり、フィルターに汚れが溜まりやすくなります。
掃除を怠ると水質悪化につながり、ドジョウの健康を損ねてしまうこともあります。
そのため、底砂を吸い出して掃除するなど、手間をかける必要があるのはデメリットといえます。
病気を見つけにくい
ドジョウは底でじっとしていることが多いため、病気の初期症状に気づきにくいのが難点です。
例えば体表の異常やヒレの欠けなども、隠れていることが多いと発見が遅れてしまいます。
また、白点病や寄生虫などは初期対応が重要ですが、発見が遅れると手遅れになることもあります。
観察時間を増やして小さな変化を見逃さないことが大切ですが、他の魚に比べると発見の難易度は高いです。
これが「飼いやすいけど注意が必要」とされる理由のひとつです。
なつき方に個体差がある
ドジョウはすべての個体が同じように人になつくわけではありません。
性格が臆病な個体は、どれだけ環境を整えても人前に出てこないことがあります。
逆に、好奇心が強い個体は人が近づくと前に出てくるなど、個体ごとの差がとても大きいです。
「飼えば必ず人になつく」と期待してしまうと、思っていたような行動が見られずがっかりする可能性があります。
なつき方に個体差がある点を理解したうえで飼育することが大切です。
初心者におすすめのドジョウの種類
初心者におすすめのドジョウの種類について解説します。
初心者でも飼いやすいドジョウの種類を紹介していきます。
シマドジョウ
シマドジョウは体に縞模様が入った種類で、日本各地に生息しています。
サイズは10センチ前後と比較的小型で、水槽飼育にも向いています。
性格は比較的温和で、人前にも出てきやすいため観察の楽しさがあります。
餌付きもよく、人工飼料を食べるため飼育がしやすいのが特徴です。
初心者が初めてドジョウを飼うなら、シマドジョウはもっともおすすめできる種類です。
マドジョウ
マドジョウは日本で最もポピュラーな種類で、田んぼや小川などでよく見られます。
体長は成長すると20センチ近くになるため、広めの水槽が必要です。
丈夫で飼育しやすいですが、大きくなる点を見越して設備を整えておく必要があります。
人に慣れやすい個体も多く、餌をねだるように出てくる姿が見られることがあります。
日本の気候に適応しているため、初心者でも安心して飼育できる種類です。
ホトケドジョウ
ホトケドジョウはやや希少な種類ですが、愛好家の間では人気があります。
体長は7〜10センチほどと小型で、温和な性格をしています。
見た目が丸みを帯びていて可愛らしく、水槽内でも目立つ存在になります。
小型水槽でも飼いやすいため、限られたスペースで飼育したい人に向いています。
ただし、販売されている場所は限られるので、購入の際には信頼できるショップを選ぶことが大切です。
ヒドジョウ
ヒドジョウは突然変異で生まれる体色が黄色っぽい種類のドジョウです。
体長は15センチ前後になり、観賞用として人気があります。
普通のマドジョウよりも鮮やかな体色を持つため、水槽内でも存在感があります。
性格はマドジョウと同じく丈夫で飼いやすいため、初心者にも適しています。
少し珍しい見た目を楽しみたいという人にぴったりの種類です。
まとめ|ドジョウは人になつく魅力的な淡水魚
人になつくとされる行動 |
---|
水槽前に出てくる |
警戒して隠れる理由 |
他の魚との違い |
人になつく個体の特徴 |
ドジョウは犬や猫のようにはっきりした愛着行動を見せるわけではありません。
しかし、餌を与える時間になると前に出てきたり、人の手に慣れて近寄るなど、飼育者が「なついた」と感じる瞬間があります。
水質管理や隠れ家の設置といった環境づくりを工夫することで、ドジョウは安心して暮らし、人の前に姿を見せやすくなります。
観察の楽しさや癒し効果、丈夫で長生きできる点は大きなメリットですが、大きく成長することや底砂の掃除が大変といったデメリットもあります。
それらを理解した上で、シマドジョウやマドジョウなど飼いやすい種類から始めると、初心者でも安心して楽しめます。
自然界での存在価値も高い魚なので、大切に育ててあげてください。
参考リンク: